護身術におけるメンタリティ③

前回(護身術におけるメンタリティ②)では、ナンパやしつこい客引き等を想定した心構えをご紹介しました。
今回のテーマは、もう少し凄みの効いた恫喝・脅しについて考えていきます。
「殺すぞ!!」など危害を加えることを示唆したり、「土下座しろ」「金で解決するしかねーだろ」といった何かを強要するようなワードを発すれば強要罪・脅迫罪・恐喝罪にあたる可能性があるので、プロ(?)の方々はこういった脅し方はしなくなっています。
プロがそういったことをしなくなった一方で、一般人に近い人(モンスター、クレーマー、半グレ等々)の行動がエスカレートしています。
中にはその様子を動画サイトにアップしてバッチリ証拠を残して逮捕されるアホまで…
まあ、この手の犯罪行為のハードルが下がっていることは間違いなく、我々もいつ巻き込まれてもおかしくない世の中になってきているのは間違いないと思います。
大声で脅す・周囲の物を叩く…これらの行為の目的は「音」を出すこと。
人間に限らず動物は大きな音に「怖さ」を感じます。
やっていることはゴリラが胸を叩く”ドラミング”と同じです。
威嚇することで「俺は強いんだぞ!!」とアピールし、自分を心理的に優位なポジションに置きたいだけなのです。
そう考えると、ちょっとかわいく思えませんか?
ただ、いざ目の前で怖いお兄さんが脅してきたら冷静でいることは難しいですよね。
それでも皆さんに頑張っていただきたいのは、相手のペースにのらないこと。
下手に言い返したり、正論をぶつけても、心理的に相手が優位な状況であれば必ず相手のペースにはまります。
どんな脅し文句も可能な限り無視、質問には答えない姿勢を貫いてください。
この状態でもすでに暴行罪は成立しているので、もし周囲に味方になる人がいれば録音・録画する、防犯カメラが設置されている施設であればカメラの撮影範囲の中でやりとりするのがベストです。
お気づきでしょうか?
実はこの状況、脅されているはずのあなたが「優位」です。
警察が介入すれば完全に相手側がOUTの事案です。
これがわかっているのでプロはこういった脅し方はしません。
前回(護身術におけるメンタリティ②)と同様に、言葉での攻撃に対しては
①無視ひたすら無視
②質問にきちんと答えない
(同じフレーズで返す)
(まったく違う答えを返す)
という対応でOKです。
まともな会話が成立する相手ではないのですから、「相手の言い分にも耳を傾けて…」などという配慮は一切不要です。
目の前にいるのは言葉が通じる人間ではなく、「ウホッ、ウホ」言ってるゴリラだと思って対話はあきらめてください。
そして、あなたは「怖い」という感情から1秒でもはやく冷静さを取り戻すことが重要です。
つまり「自分のほうが優位なんだ」ということに早く気づいてください。
無視や質問に答えない状況が続くと相手のほうも冷静さを取り戻してきます。
相手が冷静になったときに「あっ!!やばい、やりすぎた」と気づけば、この悪夢の状況は終わります。
ただ、中には元気がいいというかアホなのか…?
行為がエスカレートして暴力行為に発展することもあります。
次回は 脅し→暴力 に発展しそうになったらどうするかを考えます。